(死因第2位の心疾患について)
心疾患には、不整脈や先天性の心臓病、心筋や心膜の病気などがあります。その中で生活習慣が原因のものが虚血性心疾患です。
虚血性心疾患は、冠状動脈が動脈硬化のために細くなってしまい、心臓を動かしている心筋に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなることが原因で、狭心症と心筋梗塞があります。
なお、高齢者や糖尿病患者などでは、狭心症や心筋梗塞を発症しても痛みを感じない場合もあり、原因不明の不整脈や倦怠感などを訴える人もいます。
【A】 狭心症
普段は無症状なのに、冠状動脈が細いため、運動やストレスがかかったときなど心筋の酸素消費量が高まったときに必要な血流が得られず、虚血性の痛みが出現するのを狭心症といいます。また動脈硬化ではなく、冠状動脈のけいれんによって起こるタイプもあります。しかし安静にしていると自然に痛みは消失し、普通は15分以上続くことはありません。
【B】 心筋梗塞
突然、冠状動脈が閉塞して激烈な痛みが30分以上続くと心筋梗塞が疑われます。これはすぐに救急搬送しないと即、命に関わる病気であり、突然死の最大の原因と考えられています。なお、心筋梗塞の発症以前に狭心症の既往歴を有している場合もありますが、いきなり心筋梗塞を発症することもあります。