(死因第1位の悪性新生物について)
悪性新生物または悪性腫瘍とは、がんや肉腫のことです。体内に存在する正常な細胞の遺伝子が傷つけられることによって、悪性新生物になります。細胞は、適切な形で存在し、一定の大きさになると増殖が止まるのが正常です。しかし、悪性新生物は際限なく増殖して徐々に大きくなっていくこともあります。問題なのは、増殖した悪性新生物が正常な細胞にも広がっていき、エネルギーを大きく消耗させたり、臓器の働きを妨げたりしてしまうことです。また、悪性新生物は通常の細胞と比べて結合が弱いことから、血管やリンパ管に流れやすく、血管などを介してほかの臓器へ転移しやすい性質も持っています。
悪性新生物とよく比較されるものに上皮内新生物があります。悪性新生物、上皮内新生物は、どちらもがん細胞です。悪性新生物と上皮内新生物の違いは、がん細胞がどこにとどまっているかにあります。基底膜を超えずに上皮にとどまっているのが上皮内新生物、基底膜を超えて深く浸潤しているのが悪性新生物です。悪性新生物は血管やリンパ管を通じ、全身に転移する可能性がありますが、上皮内がんは浸潤や転移の可能性がありません。

※基底膜とは、皮膚や臓器の粘膜を覆う表皮と、表皮から深い場所にある皮下組織などを分ける膜を指します。

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