診療チーム

糖尿病チーム

診療方針

糖尿病治療は近年めまぐるしい発展を遂げており、新薬が次から次へと出てきています。一方で糖尿病患者様の全員が経済的な余裕があって進歩した医療の恩恵にあずかることができるわけではなく、さまざまな患者様の状況に応じた適切な医療の提供が不可欠となってきています。そのような糖尿病診療を行うためにはチームとして対応するしかありません。そこで当院では医師と糖尿病療養指導士(看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士)がチームとして連携し合って、個々の患者様に最適な医療を提供できるようにしています。

糖尿病診療会議

会議 3カ月毎に医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・医事課スタッフが集まって糖尿病診療会議を開いており、その会議内容は以下のような内容を中心に行っています。

  1. 糖尿病診療における状況報告(院外活動があれば報告)
  2. 糖尿病診療における問題点の有無を確認
  3. 外来透析予防指導の実績報告
  4. 糖尿病関連の新たな情報提示(新薬情報など)
  5. 薬事審議会にあげる薬剤についての意見交換

診療内容

当院では、医師と糖尿病療養指導士(看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士)がチームとして連携し合って、個々の患者様に最適な治療を提供できるように以下のような取り組みを行っています。

1. 糖尿病教育入院2004年11月より毎月1回実施

カンファレンス 医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士により実施。

【2023年度 糖尿病教育入院スケジュール表】
【2023年度 糖尿病教育入院プログラム】

2. 糖尿病透析予防指導2012年5月より外来診療日に実施、現在は週2日(月・木)実施

医師・看護師・管理栄養士により実施。

診療実績

1.糖尿病患者診療実績

~経口糖尿病薬を投与している患者数の年度別推移~

  • 2017年度 : 1016名
  • 2018年度 : 1026名
  • 2019年度 : 1037名
  • 2020年度 : 1005名
  • 2021年度 : 1072名
2. 投与経口糖尿病薬の種類別件数(2022/4/1~2022/6/30/)

DPP-4 阻害薬使用症例数は 415 例、SGLT-2 阻害薬使用症例は 320 例、DPP-4 阻害薬と SGLT-2 阻害薬の関連配合錠は 219 例で、その他の薬剤は 477 例でした。年々、SGLT-2 阻害薬と配合錠の使用症例が増加しています。各々の薬剤名別内訳を以下にグラフで示します。

DPP-4阻害薬使用415症状の内訳

SGLT2阻害薬使用320症例の内訳

SGLT2阻害薬+DPP-4阻害薬配合錠使用219症例の内訳

DPP-4阻害薬、SGLT-2阻害薬以外の糖尿病薬使用477症例の内訳

3. 注射薬の種類別件数(2022/4/1~2022/6/30)

インスリン注射薬使用198症例の薬剤別内訳を以下にグラフで示します。

インスリン注射使用198症例の内訳

GLP-1注射薬使用62症例の薬剤別内訳を以下にグラフで示します。

LP-1受容体作動薬使用62症例の内訳

4.リブレ使用症例(2017年12月~2022年8月)
リブレ導入時期 症例数 中止症例 継続症例
2017年導入 1 0 1
2018年導入 35 10 25
2019年導入 22 12 10
2020年導入 10 4 6
2021年導入 5 3 2
2022年導入 9 1 8
合計 82 30 52

(中止理由)

  • 本人希望
  • 金銭面の問題
  • センサーによる皮膚掻痒感
  • センサーが頻回にはがれる
  • センサーによる皮下感染症
  • 転院(転院後の使用継続の有無については未調査)

その他の紹介

2022年10月17日現在、当院における透析患者数は116名となっていますが、最近では新規に透析が必要となる患者の二人に一人は糖尿病性腎症の悪化が原因です。そのようにならないためには、糖尿病治療を日頃からきちんとしておくことが非常に大切です。

近年糖尿病薬の進歩には目を見張るものがあり、2014年より発売されているSGLT-2阻害薬は心血管死を減らし、腎不全にも良いことがわかってきましたが、一部のSGLT-2阻害薬(フォシーガ、ジャディアンス)は適応症が拡大して糖尿病以外に心不全や慢性腎臓病に対しても使えるようになりました。